オーディオ、絹巻き電源ケーブルPart3
前回作った二次側からプリ迄の電源ケーブルは、次の日の夕方には自己満足ではあるが、かなりのレベルで鳴っていた。とにかく切れがよく、スピード感がある。
次は、いよいよコンセントからノイズカットトランス迄の一次側へ200V30Aを送るケーブルの製作にかかる。
200Vはかなり強力な電源である、これこそが本当の電気の源である、変わらぬ筈がない。
四角い断面のウエスタンワイアーをチョイスした。幅が4㎜位厚さが2㎜位ある、根拠はないが、経験でキャパは充分と思える。それをアースも含め合計三本である。それはなぜか、我が家は単相三芯である、100V+100V=200Vとアースであるからである。長さは83㎝である。
作ってみると固くて四角いので絹糸を巻きづらい、でも何とか綺麗に強く巻けた。指で弾いてみるとバネの様な力のある低音をブルンッ!と感じた。作っていると経験で、完成した音質が何となく分かるものなのである、なかなか良さそうな感じがした。
二本巻いたところで階下から夕食の臭いがしてきて、そこで、張り詰めていた集中力が途切れ作業を終了した。
次の日に作業を再開、残すは後一本(アース)である。グリーンの糸がなかったのでフイニッシュは水色になってしまった、ご愛敬。
しかし固い、絹糸を巻いた方が邪魔になる為に、ワイアーを丸めながら絹糸を巻いていくのでとても大変である。汗が吹き出してくる。
実に大変な作業である。ただでさえ絹糸をとても強く巻いてるのである。指が擦れて皮が薄くなりヒリヒリ痛くなってきた。
しかし、音の為である、ここで一瞬たりとも気を抜けない。83㎝を約20分でフィニッシュを巻き上げた、綺麗に巻けた。
しかし、出来上がり繋げようとしたが、固いのなんの、そして太いのなんの、繋ぐ前にかなり成形をしないとストレスが端子にかかり危ない、全く繋がらない、悪戦苦闘すること一時間、やっと楽にしっかり突っ張らずに繋がった。単線は突っ張ると音も突っ張って(響きが上手く鳴らない)しまう。
驚くべきはその音である。直ぐに分かるのは、高域の晴れ晴れとしたのびであった。やはり個人的にはウエスタン単線ワイアーである。でも日本のPEW単線でも、太さと被膜がしっかりしていれば大丈夫である。ウエスタン単線を使うのは個人的な事で、世間にあまり流通していないからである。そして、絹巻きは素晴らしい被膜である。
一次側も全く違う、正に激変である。一次側から入力され、ノイズをとり、二次側から出力される、つまり肝心なのは一次側である。と思う。
肉厚なディティールのしっかりした中域、閉塞感のないちゃんとしたヒャラヒャラしないソリッドな高域、引き締まった低い音階まで素早く沈み込む低域。CROWN DC-300Aがしっかりウーハーを掴んだ、そんな感じである。
さあ多分間違いない、成功したと思う。二次側は一次側のコピーの様なもの、変わらぬ筈がないとずっと信じてきた。
この四角い断面のワイアーが正解かはまだ分からないが、良い音である。
一時間かなりのパワーを入れた、どんどん変化していく。
そして、夜の22:30。三階へ来てみた、多少の不安があった。しかし取り越し苦労かも知れない。音は少し腰高になっていた。何かがおかしい、やはりワイアーが太過ぎたか?端子に繋ぐ時、少し無理があった、しかし明日、冷静に聞いて判断しよう。
次の日朝に聞いてみた、音はまろやかに変化していた、違和感なし?
でもまだ何かがおかしい。もっと音に力がある筈である、これはトランスではない、どこだろう?