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この記事は、2018年11月7日に、FC2ブログからこちらのサイト(https://we-spirits.jp)へ
移転したものです。

中古オーディオが私に教えてくれた事

今、中古オーディオがまた微かなブームになっているらしい、良い事だと思う。ネットで検索すると色んな情報がある。

安い金額の商品を色々購入して当時の名機を楽しむ。個人的に好感をもてる。スピーカーを上下逆さまにセッティングしてみたり、昔三十年程前に私もやってみた事がある。

その方はJBL4311みたいだと言っていたが、少し意味合いが違う、4311はプロ用だ、狭いスタジオの高い位置にアングルで吊り下げて使う設計になっている為に、上下が逆になっているのである。ちゃんと意味があってのユニットの配列となっている。

しかし、その文章はとても懐かしかった。楽しく読ませていただいた、ありがとう。

しかしその時代、忘れてならないのは、何と言ってもレコードの値段である。小学生の頃のLPレコードの値段は1000~1800円位だったと思う、物凄く高かった。

小学校六年生の時に、エルビスプレスリーのハワイホノルルで行われ世界初で衛星放送されたライブがあった。その三枚組のレコードをどうしても欲しくて、両親にねだり購入してもらった。それをすりきれる程何年も聞いた、今も棚の何処かに収まっている、当時、かなり高額なレコードだったと思う。

このお話は、1970年の頃のお話だが。まだレコードは、誰にでも買える値段ではなかった。一枚購入するには、正に清水の舞台から飛び降りるである。一生聞く位の心構えだった。

一枚両親に買ってもらったレコードを何年も大切に飽きずに聞いていたものである。今でも総て何枚か棚に収まっている。やっと年に10枚程買える様になったのは社会人になってからだった。

そしてオーディオ、特にJBLやオルトフォンのカートリッヂなど憧れるものの、とてもではないが手がでなかった。ましてやアルテックA-7など神様だった。

しかし、私が19歳の頃JBLの4343Bを21歳で購入して鳴らされてる方がいらした、驚きだった。

12畳の部屋で、小さな音量で聞かされた4343は、とても繊細で神秘的な音がした。そしてそのフォルムに圧倒され強く魅了された。

私はそれまで、ギター少年だったが、4343を聞いてから、ギターへの熱がいっぺんに覚めてオーディオ小僧になってしまった。

しかし4343等買える筈がない。今は紆余曲折ありJBL4560BKシステムになったが、新宿のディスコで聞いたJBLの圧倒的な音と、4343を聞いた記憶が私にJBLを選ばせたのは間違いない。

しかし、ある意味今は、良い時代になったのかも知れない。大手リサイクルショップへ行くと、はじめはまるでオーディオの墓場に来たような感じがした。

名のあるブランドの名機はやはり安くはないが、今の時代、少し背伸びをすれば購入出来る。

しかもジャンク品も売っている、詳しければそこから部品を取り、復元できる物もある。

今のオーディオ製品の値段は異常である。安いものはそれなり、少し拘った商品はべらぼうな値段である。

そして何を聞いても似たり寄ったりで、サウンド(店では)に特徴が少ない。

私は、今のオーディオを少しさめて冷ややかに見ている。しかし店の店員さんに聞いてみると、景気のせいで低迷気味なのだが、それでも高級オーディオはけっこう売れているのだそうである。

オーディオは興味を持ち始めると、深みにはまりどんどん高い商品を購入する様になる。ところがである、肝心な音質は実はそんなに変わらないのである。

購入したご本人は、高額なお金を支払ったのだから、音が良くなったと思い込んでいるだけの事である。

確かにスピーカーを変えるのが一番音質が変わるのだが、それも度重なれば悲劇である。そこにはなんのコンセプトもポリシーもないからである。

高い金額を支払い、そんな事をするくらいならば、中古でコンセプトとポリシーをもって、昔購入出来なかった名機を安く探し、購入して、いかに鳴らすかを考えた方が得だと個人的に思うのである。

特に二~三十年位前のまだ発展途上にあったオーディオ製品が、本当はいかに優れていたかを実感出来る。

それを使いこなし、よく知った上で、現代の最先端のテクノロジーを駆使した今の新製品を購入するのならば、まだ話しは分かる。

しかし残念ながら殆どの方はは、そこに気付かない井の中の蛙である。古い名機にしか興味のないヴィンテージオタクか、新しい高価な最先端テクノロジーしか認めない成金か、その両極端に分かれていて、両者は相交える事はない。

一つ提案する。現代のハイテクノロジーとヴィンテージの融合が大切である。両極端に分離した両者が合わさり、私は異次元のオーディオ構築を出来た。

それには、オーディオ以外の広い見聞録も必要であると言いたいのである。

私などまだまだ若僧だが、53年生きてきて思う。人間本当に好きならば何でも出来る。

そんなに拘ってる訳ではないからこの程度で私は充分だ。こんな言葉をよく耳にする、気持ちも分かるが、それはあまりに寂しい考え方と言葉である。

ハッキリ言おう、ならばオーディオは出来ない。せめて良い音楽をたくさん聞いてほしい。

リサイクルショップのオーディオ売り場は見方によっては、ある時代が産んだ宝の山である。オーディオの墓場ではない。優れていた時代が確かにあった、日本の商品は中古になって分かる、これが総てではないが特にトーンアームが素晴らしい。それを知ろう、そしてそれを認めよう。

忘れ去られた中古品は上手く探せば宝の山である。

しかし忘れてはならない、過去があり今があることを、過去を知り現代の高級オーディオと融合させ、上手く鳴らす事が出来れば、かなりの音を鳴らせる事を分かってほしい。

新製品が出る度に買い換えていては、永遠に音は進歩せず、オーディオショップの餌食になっているに過ぎない。

良い音は、巧みな製品の組み合わせで鳴るものではない。貴方が鳴らすのである。配線のシンプル化や、電源の強化など挙げればきりがないが、私のブログを読んでいただければいつか、少しはご理解いただけると信じている。

ここからブログを読まれた方は私の過去のブログを、お時間のある時に総て読んでいただきたい、今となっては間違えてる所も多々あるがオーディオがいかに大変で楽しい趣味であるかを、その構築の方法を私なりに順序だって書いているつもりである。

しかし、どこのメーカーの何番と何番を合わせてこの音になるとは一切書いていない。

答えは貴方が出すのである。このたくさんのブログの中に書いている内容は、貴方にもどこかで似たような経験がある筈である。

同じ失敗をしてほしくないのである。

少し話しはそれたが、中古オーディオは彼方にセンスがあれば、とてつもない可能性を秘めた良い音を鳴らす為の宝の山である。私はそう思う。

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