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この記事は、2018年11月7日に、FC2ブログからこちらのサイト(https://we-spirits.jp)へ
移転したものです。

アルテック620B

今日は千葉に行ってきた。お客様のアルテック620Bが私の指定したネットワークの部品定数でとても上手く鳴ってると確認依頼の連絡が来たからだ。
620Bとは言っても、604-8Hのツィーターは繋げておらず、ドライバーが807Aでホーンは511Bのオリジナルグリーンである。
当然ホーンはボックスの上に乗っている。
つまりツーウェイだ、我が家と比べ、低域不足はさすがにあるものの、なかなか品の良い綺麗な滑らかな音に驚いた。
長年探し続けたワインにやっと出会った様な感じだった。
アルテックでこんな鳴り方は初めてであった。
話しは少しそれるが。
私は現代のテクノロジーを認めない訳ではない、主観的に思うにレスポンスや振動板の精度が上がり、時代と共に、技術が進んでるのは聞いてみて分かる、しかしそれでは私はつまらないのだ、どんなに濃厚な音を出そうと頑張っても、ワイドレンジなため、それが本当に良い音なのかも知れないが、薄く水彩画のようで、油絵の様に心にグッとくるものがないのだ、ただ綺麗な音がスルッと簡単に出るだけだ、だから私は現代のハイエンドに興味がない。
これからも、やはりアルテックやJBLは、別の意味で輝きを失う事はないだろう。
今日、アルテックを改めて聞いてみて、私の感想はジャズより、むしろクラシックの方が上手く鳴っていたと思う。
アルテックでしかもホーンでクラシック?あり得ない、みんなそう思うだろう。しかし、実にマイルドな滑らかな品の良い音だった。ネットワークはウーハー、ドライバー共に800Hzカットで6dBクロス、ドライバーはマイナス9dBの固定抵抗、泣く子も黙るDALE消し炭色の3Wタイプだ。
コイルはDIYオーディオの空芯銅箔コイル、コンデンサーはムンドルフのフィルムコンデンサーである。総て私が指定した。
やはりメーカーは違えど私が指定したネットワークで作ると、我が家と似たような鳴り方をした、二本のスピーカーはかなり消え去り、音像がスピーカーを無視して浮かび上がる、もう少し広がりは欲しいが、モニター系のスピーカーだからかも知れない、全くうるささはない。
私はアルテックのオリジナルネットワークをけなしている訳ではない、完成してから時間がたち部品が劣化して音が鈍って(ボケボケ)しまっていると言いたいのだ。
ネットワークだけはオリジナル部品が新品で当時のものが揃わず、どうにもならないと思う。
また話がそれたが。
今日聞いたアルテックは、以前、きめが粗く元気のないおかしな音だった。
その時のネットワークは秋葉原の有名なHオーディオでの注文されたもので、なんとペアで15万円したとの事だった。
アルテック620Bのボックスなので、低音は我が家のJBLの様に量感はないが、実に滑らかで軽やかでストレスのない開放的な鳴り方になっていた。
私を全面的に信じ、ネットワークを自作で作っていただき、この様になった事はとても嬉しい。
値段は左右ペアで3万円位だと思う。
当然ネットワークはスピーカーの上でなく、隔離されて設置してあった、これは望ましい。
自分の部屋以外でこの音を聞いたのは正直はじめてである。
そのお客様はネットワークが出来上がった後最後に、ウエスタンスピリッツの絹巻きシールドラインケーブルを改めて総て納めてもらった、それまではウエスタンスピリッツのノンシールド(シールドしていない)ラインケーブルだった、ネットワークが極限まで決まれば、ケーブルがかなりノイズにやられてるのが分かるようになるのだ、そのケーブルもお客様は物凄く喜んでいた。お客様の興奮した顔を見たら、もう言葉はいらない。
私はこのやり方が自分のJBL4560システムにしか通用しないのでは?と内心少しビビっていた。
このレベルになるとラインケーブルにシールドしても音は全くこもらず、むしろ低音がグッと前に出てきて、中域から高域までハッキリしていて滑らかで透明になるのだ。
普通はシールドしたわが社のケーブルを使うレベルにない。
その方は、私が試聴にいく前に20人位のかなり辛口の評価をする人に聞いてもらい、その誰もが驚いていたらしい。
これが本来のアルテックの音なのだろうと。
オーディオは自分一人で満足しても駄目だ、いろんな聞き方をする他人を納得させてなんぼの趣味だ。
私は更に仕事に自信をつける事が出来た。
その方は私と同じで過去にかなりお金をドブに捨てて来ている。
何をやっても上手く鳴らないと言っていたし、事実そのとおりだった。
ネットワークはアルテックオリジナルも含め、10台以上は自分で作ったり、かなり有名なオーディオショップ等へ注文しているがどれも駄目だったと話していた。
正しい物からしか真実は聞けない。
私は真実が知りたいだけだ。
私の方向以外にも方法はまだたくさんあるだろう、しかし上手く鳴っているシステムは殆どない、ただ値段の高いシステムを馬鹿みたいに揃えてるだけだ、そんな人の話しに耳を傾けてはいけない。
一生のうちに一つのシステムさえまともに鳴らせないのに、たくさんのシステムを総て鳴らせるのだろうか?とてもではないが私には信じられない。
笑ってしまう。
世の中いくらでも上には上がいるのだ。
でも、今回のアルテックは本当に良かった。

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