お客様のノイズカットトランスの音を決めに埼玉へ
先月納めた二台のノイズカットトランスは前回、違いをご理解願う為に、あえて自分が行った実験と同じ赤黒スピーカーケーブルを繋いできた。
ウエスタンスピリッツの、1.6㎜ф単線の絹巻きケーブルがいかに優れているかを知っていただきたいからである。それを今回繋いできた。
これは想定内であるが、お客様はしきりにボリュームを上げたがるのである。
今まで赤黒のスピーカーケーブルが引き起こしていたエネルギーロスしたうるさい音になれているのだ。
自分で行った時と同じである。歪んだ様な音とは違い、しっかりした電源が繋がり供給されたシステムの鳴り方は、S/Nが高く音が穏やかで静かで円やかなのである。
そして低音が増えるのだが、全く耳にうるさく絡んで来ないのである。音の分離が今までと違い、音と音の間に空間が形勢される為、むしろ楽器が少なく感じるのである。
その為、お客様は、まだ少し物足りないのである。違いは分かるが、今はまだ真価が分からないのだと思う。しかしそこから三日、一週間、一ヶ月と鳴らして行くと、やがて目の前が開け、音は緩やかに変化を遂げ、しっかりしたステレオイメージが出来上がるのである。
そして、前回気になったパワーアンプの電源ケーブルの端末の錆を、マイクロコンパウンドで磨き、繋いできた。作った電源ケーブルのコンセントは新品なので光ってはいたが、やはりしっかり錆を落として持っていった。見た目には光っていても端末は錆びているのである、磨くと拭き取ったティシュが真っ黒になる。
更に、長年使っているシステムのコリを解すべく特殊なCDを大きな音で再生してきた。音の分離は明らかに良くなり、清らかで滑らかな音の方向へ変化した。
後は時間との勝負である。ノイズカットトランスはやっと真価を発揮するだろう。これからがとても楽しみである。
なぜならそのお客様は、私よりもセッティングの能力に長けているからである。そして、努力家である。オーディオが簡単に鳴らない事を真にご理解していらっしゃる。
ここまで鳴らすのに二人で二十年の歳月を経ている。
安易に、音楽を少しでも良い音で聞こうと購入した筈のオーディオは、正に魔物である。簡単に鳴る筈がない。
貴方は、鳴ってるかな?鳴っていない筈である。