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この記事は、2018年11月7日に、FC2ブログからこちらのサイト(https://we-spirits.jp)へ
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JBLユニットの組み合わせと固定抵抗との関係

これはJBLを組むうえに於て、永遠のテーマであり、みなさんは、だいたいここでハマり間違えている。たくさんあるように見えるJBLのユニットは実はそんなに上手く繋がる組み合わせパターンはないのである。プロ用なので色んな現場に対応しているのである。選ぶならばコンシェマー用をチョイスする。

先ずはJBLの一番オーソドックスな組み合わせである。

ウーハーが130A
ドライバーがLE85
ボックスが4560BK
ネットワークはLX13(クロスオーバー周波数800Hz)かLX5(クロスオーバー周波数500Hz)かN802(クロスオーバー周波数800Hz)かN502(クロスオーバー周波数500Hz)等である。しかし、やがてオリジナルネットワークの音質に疑問をいだき、自作ネットワークに突入する事になるだろう。

そして少し聞きかじり、拘って来ると、耳で聞いた感じ、パワーを入れないとあまり重い低音を感じず軽く感じるので、2205Aに変更される方がいらっしゃる。私も昔そうだった。

しかし2205は、コーン紙が重く動作が遅いので、低音は聞いた感じ分厚く感じるのだが、やはり本当に低い低音は鳴らないのである。先ずはここが地獄の入り口である。

一年聞いたらその差は明らかになる。そして大体の方が、残念ながら、なぜだか2220Aに変えてしまう、そして130Aと同じと思ってしまう。これが大きな勘違いである。

しかし聞いてみると、両者の性格は全く違うのである。軍配はまともなものならば130Aにあがる筈なのである。

そして今度はそこにドライバーの問題が絡んで来る。LE85もプロ用の2420も確かにカタログデータ上は同じなのだが、この両者の性格も全く違うのである。しかし不思議だが店の方は同じだと説明するのである。

LE85を、130Aと800Hzクロスで合わせ固定抵抗をマイナス7dBで合わせようとすると部品定数がないためR-1に4.7Ω、R-2に5.6Ωを繋ぐ事になる。一般的なマイナス8dBである。しかし厳密にはマイナス8dBよりも少し低くなる、これはある意味正解なのである、私もそこで落ち着いた。

しかし2205Aと合わせると能率は98dBとなり、130Aと3dB違うので、厳密にはドライバーの固定抵抗はマイナス10dBとなる。となればまた部品定数がないためR-1に5.6Ω、R-2に3.9Ωになる。

そして、はじめから出来るだけウーハーとドライバーの能率の差を少なくするのも必要と思う。そしてマイナスへエネルギーを捨てているR-2抵抗との関係も無視できない。アンプからみたらスピーカーも含め繋がっているものは総て抵抗である。音量だけでなく抵抗の数値で確かに音質も変化する。

ツィーターは、賛否両論あるが、一般的にそこに繋ぐのは同じJBLの075馬蹄型である。しかし、これがまた少し高域をプラスしようと繋げると、ドップリとオーディオ地獄になるのである。

なぜならばツィーターは、高域をのばす他の理由に、低音補正の要素がある事が分かってきた。つまり自然界に近付ける為のトータルでの波形を正しく形成しなければならないと言う事である。

つまりちゃんとその波形が整っていないと、高域も中域も低域もバランス良く鳴らないのである。ツィーターの繋がりやレベルがおかしいとツィーターそのものも妙でのびのない鳴り方になったり、ウーハーが暴れたり上手く鳴らなかったりする。

中域も抜けたり濃すぎたりうるさかったりするのである。そんな風に鳴る筈がないのであるが、みなさんそんな音を聞いている。大いに違和感ありである。そうなれば位相以前の問題である。お話にならない。

そして誰もが程遠いのに自分のネットワークは後少しだと思っている。しかし実際に伺い聞いてみると、遥か遠い鳴り方になっているものである。

私はそこから大変な思いをしたのである。

そこをトータルでルーペを見るように細かく追い込んでいくと、お金を使い果たした結果、その先の更にその先の答えが見えてくる。

そうしてネットワークや音を周りから固め、構築してきた、正にアホである。

私はそんな感じだった。後少し等と思わない事である。オーディオはトータルである。どこか一点ではなくトータルで見なければ結論は弾き出せない。

後少し、それがほど遠いのである。門前仲町にあったジャズ喫茶タカノさんが晩年まで苦しんだように、そして晩年タカノさんが最後に鳴らした音は、枯れきっていて年代物のワインの様に旨味があり驚異であった。

例えれば、枯れきった音、地中海の寂れた港街の古びたbarの片隅に置かれた壊れかけたピアノのようだった。そのピアノを名手が弾いた様な実に深い味わいがあった。

そこには既に、アルテックと言うブランドの音は存在しなかった。

私もそうありたいと願うばかりである。オーディオはトータルでバランスさせなければならない。

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