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この記事は、2018年11月7日に、FC2ブログからこちらのサイト(https://we-spirits.jp)へ
移転したものです。

システムを冷静に見渡してみて

しかし、随分と変化している。私は昔、オーディオとはケーブルも含め、その総てがオリジナルで完成されてるものと思っていた。あまり崩さない方が上手く鳴ると思っていた。そしてある程度迄は確かにそうだと思う。利己的な考えで色々換えても上手くバランスしないからである。

そしてそれ以上の音にしようと、自分なりの考え方と雑誌に書いてある内容を照らし合わせ、ケーブル等を取り替えたり、市販の切り売りケーブルに端子を付けて変化を楽しんだ。

でもどこにも真実はなかった、ただ無闇にお金をたくさん使っただけ。切りがない、ある時そこに気が付いた。

私が三十五歳の時だった、所沢のオーディオショップにガラード#301を購入しに行った時の事だった。

連絡もしないで行ったのも悪かったのだが、店主は休みだった。店の奥の方に四人のお客が雑談をしていた。そこに真実があったのである。

私は興味のあるJBLのユニットやガラードをつぶさに見ていた。するとその中の背の小さいな髭をはやした目付きの鋭い兄さんが、私に「兄ちゃん、何探してんだ?社長は今日はいねえよ」と話かけてきた。

初対面の人間に兄ちゃんかよ、と思ったが、その後の話が今までに聞いた事がないくらい不思議で魅力的だった。

そして私も、その四人のお話に合流したのである。後に分かるが、実に凄い方達であった。ウエスタンを散々買い漁り、自分で使って鳴らし方を色々話しているのである。

みなさんウエスタンですよ?お金がいくらあっても足りない魑魅魍魎の世界である。しかし、センスがあればちゃんとしたウエスタンは揃うのである。

その世間とは全く違う話の内容に、私は強く興味を持った。今までの私のオーディオとは180°方向が違うのである。それはウエスタンだけに通じる特殊な鳴らし方ではなかった。

その頃私は、正直煮詰まっていた。それどころか自分程オーディオに詳しい人間はこの世にいない、勝手にそう思っていた。

その始めに話かけてきた目付きの鋭い方が、泣く子も黙る超有名なウエスタン研究家だったのである。

その方は一週間後、世田谷の私のオーディオルームへ来られた。驚いたのはその方が作って来られた、始めてみるウエスタントランスをほどいて取り出した素線に絹巻きしたケーブルの見た目と音だった。

細く、鉛筆よりも半分以上は細い、そして更に驚いたのは、その細さでシールドされていた事である。

繋いだ音は、柔らかく鋭く低音が良く沈み弾み、夢の様な音だった。それまでの私は確かにあまり太いケーブルは好きではなかったが、あまりの細さと音にびっくりしたのである。

そして私はそのウエスタン研究家様を師匠と仰ぎ、色々聞き方を教わったのである。

大体のご意見は私と似ているが、最後の所でいつも少し答えが違うのである。

師匠はご自分でトランスを作っていらした、私はそれまではトランスを繋いだ音が大嫌いだった。どんなに高価なトランスを繋いでも、こもった様な音で伸びやかに鳴らないからである。しかしらそれはあくまで市販されたトランスのお話である。

師匠の作ったトランスは全く違った、トランスそのもの固有の音のない、トランスを繋いでいない様なトランスの音がした。

作り方によって同じものでも全く違う音の世界があったのである。ケーブルもまたしかりである。

かなり後で師匠から話された。私は、聞き方が駄目だったようである、そこを軌道修正された。「広く全体を自然の音と調和させて聞きなさい」であった。

師匠は簡単に言うが、それはとても難しい事である。今はその意味が分かるが、その時は理解不能だった。

エネルギーロスによる位相のズレや違和感を聞けである。私のシステムを師匠が聞いたファーストインプレはこうだった。

「普通のオーディオだが、よくここまで鳴らしたね、まあまあ良い音だ、しかしこのままでは、どんなに君が頑張っても今以上にはならない。」

と、ハッキリ言われた。

それからJBL4560におさめていた2345ホーンやネットワークを外に出す事を私はやった。

すると次に来られた時、師匠はそのつど喜んでくれた「これが正解」と。そしてある日アルテックのホーン511Bのグリーンを持って来られた。

繋げてみた、師匠は何にも言わない、暫く聞いて、どう違うか分かるか?と聞かれた。明らかに人の声の中域とウーハーとの繋がりが良い、のびやかだと私は答えた。

イエース!!と師匠は言った、まともになって来たじゃん?と言われた。

やはり聞き方がまだ甘いんだなと思った。師匠はそこを試している。こちらが分からないと先へ進めないのだろう。

天才の考える事は分からないとその時は思った。そして半年して師匠のシステムを聞いた、変わっているけれど、かなりの音だった。

音が小さくても遠くまで飛んでくる、そして凄みがあり奥行きがありうるさくならない。スピーカーは一本しかない。それがあからさまではないのである、とても驚いたのを覚えてる。

そして、時を越えて最近、富士宮の6ウェイマルチを聞いた、師匠の鳴り方と似ているのである。そして私は、本当に鳴りきったオーディオシステムとはむしろ、低音があまり鳴って感じない事をはじめて気が付いたのである。

しかし、実はどちらも恐ろしい位、低い周波数までちゃんと鳴っているのであった。あからさまに良いと思う音などまだまだ鳴っていないと言う事なのである。

ドスンドスン鳴らないので最初は面白くない、しかし我が家に帰り、自分の装置を聞いた瞬間私は萎んでしまった。

良いと思って聞いていた自分のシステムは、おもちゃみたいな音しか鳴っていなかったからである。

私のシステムを聞いて、自宅に帰られご自分のシステムを聞かれたお客様も、似たような事を話される。ならば我がシステムも鳴り方は違うが、ある程度のレベルに到達している事が分かる。

しかし、上には上がある事を認めなくてはならない。私はそう思う。

そこを認め、更なる尾根を私なりに違う方向から目指そうと色々実験しているのである。

しかしオーディオは、そんな私をせせら笑うかの様に広く難しい。

スピーカーの下に柔らかなものを敷いてる方、床にベタ置きにしていらっしゃる方。三センチ角の黒檀キューブを三点で敷いてみてもらいたい。低音がクリアーになる筈である。

そして高さが決まったら、キャスターをスピーカーボックスの底に付けてみてもらいたい。スピーカー左右のセッティングがしやすくなる。その後位置を決めて、キャスターを外し決めた位置がずれない様に再び黒檀キューブを敷いてみてもらいたい。かなり鳴る筈である。

付けたり外したり面倒だが、そうしないとスピーカーのセッティングは決まらない。左右はほぼフラットで決まる筈である。

スピーカーを左右を内振りにして聞かれてる方がたくさんいらっしゃるが、それでは奥行きのある分厚い音は、永久に鳴らない。

こんな事は個人的なノウハウなのであまりブログに書きたくない。しかしあまりに間違えた常識が世間にはびこっているので呟いてみた。

私のオーディオはここ五ヶ月でかなり変わった、音もかなり変化している。そして、昔を思い出したのである。

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