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この記事は、2018年11月7日に、FC2ブログからこちらのサイト(https://we-spirits.jp)へ
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気に入ったレコードばかり上手く鳴っても進歩はない

私もそうだが、貴方の部屋のレコード棚に上手く鳴らないレコードがたくさんある筈である。そしてまた逆もあるだろう。上手く鳴らないレコード、それを少しでも上手く鳴らす努力をしよう。しかしその道は機材を換える事ではない。今のままで色々悪戦苦闘していただきたい。だからこのブログの過去から全部読んでいただく事が大切なのである。

機材の組み合わせばかり考えて買い換えていても、システムは永遠に上手くは鳴らない。そのオーディオは間違いている。鳴らないのは、使い手の貴方の腕がないからである。機材の性能ではない。

つまり経験を積んでないからである。良い製品を使えば音が良くなると思っている貴方、それは完璧な錯覚である。

それが心から分かった時、そこからオーディオは進歩するものである。我が家にもレコードはたくさんある。しかし、その中に本当に音の悪いレコードは数枚しかないのである。それだって本当は私が鳴らせないだけなのかも知れない。

マークレビンソンのパワーアンプに、モノラル(一台)の値段で350万円するものがある。二台で700万円である、私は別に驚かない。

確かに徹底的で優れたアンプだと思う。そのアンプを12台つまり6ウェイマルチで鳴らされている方を私は知っている。パワーアンプだけで4200万円である。実際にレコードを持参して聞いたが、確かに少しの狂いもなくそのマルチシステムは鳴っていた。

しかしそのシステムは、優れたアンプを使っているからその様に鳴っていた訳ではないのである。オーナーが入り口から出口迄、徹底的に固めたから鳴ったのである。本人がそう言うのだから間違いないだろう。

物凄いセンスと頭脳の持ち主であった。私が初めて降参した富士宮のスーパーオーディオマニアである。しかし本人は簡単にこう言った。「金がなけりゃ10万円で良い音は鳴らせる」と。

それには私も全く同感である。実際に鳴らし切った方が言ったのである、間違いなくそうなのである。

ただこれを読まれた皆さんは、そんな世界が実際に存在する事を知らないだけなのである。良い音を鳴らすのは機材ではない、やはり何度も話すが、センスと粘着質な折れない鋼(はがね)のような、セオリーにとらわれない柔軟なハートなのである。

オーディオを上手く鳴らされた先人達はみんな文の才能がある。あまり上手でない文章から私が感じるのは、経験しなければ絶対に書けない内容である。そこに魅力があるのである。

しかし残念ながら、どうやったら音が良くなるのか答えはどこにも書いてないのにお気付きだろうか。

ならばそれに答えよう。答えはどこにもないのである。本人が気が付かなければ出来ないからである。何dB?何Hz?何V?何A?何W?何kg?そんなもので耳が聞いた感じを表す事は出来ない。

部屋も違う、経験も違う、条件や財産も違う。明らかに自分より劣った条件で自分のシステムより優れた音をずいぶん昔は聞いた。そしてそれを越そうと努力したのだ。

オーディオはそこそこに鳴れば良いと思っているならば、話しはそこまでである。はじめはそう思っていても、結局はそうはならない、現に良い音を少しずつ求めているではないか。それがオーディオである。認めないのは開き直りか、やっかみか、素直でない証拠である。どちらにしても、ひしゃげていてあまり良い態度とは言えない。

先ずはオーディオは簡単に良い音にはならないと言う事を理解する事である。自分だけは他のマニアとは絶対に違う。その考えを改める事である。

しかし、知らないと言う事は、恥ずかしい事でも何でもない。どだいやってもいないのに分かる筈がないのである。やっても分からないのだから。

これが大切である。頭でばかり考えてないで素直にやってみる、一度や二度程度の失敗を恐れるな。これが先ず大切な事である。知っていて語るのと、知らないでいて憶測で語るのとは大きな違いがあると言う事である。

知らないなら、聞きかじっただけの乏しい知識で知ったかぶりをするな、と言いたい。そんな方がオーディオショップの店員やオーディオマニアに多いのは誠に嘆かわしい。こちらには直ぐに伝わるものである。

私は鳴らないレコードを何とか少しでも鳴らそうと努力した結果、しなくてもいい挫折感を幾度となく味わった。しかし、やがて分かってくるものである。本当は鳴らないレコードはあまり存在しないと。

しかし、オーディオは努力だけではどうにもならない、普通の人に持っていないセンスが必要になる。そして経験が必要になる。最後センスは、経験で磨かれる事になる。

これに真に気付いた、ただ独りの貴方は、多分、井の中の蛙にはならない。

鳴らないレコードは少ない、これは間違いない。そして、ジャズはただ人間臭く汗が飛び散る様な演奏ばかりでなく、クラシックはただ綺麗なだけではない、人間の内面の恐怖や臭みだってある。Jポップはその時代の鏡である、それが上手く繁栄されている。これを感動するレベルまで上手く鳴らすのである。

値段が高いから?Wが大きいから?人が良いと言うから?重いから?あり得ない。そうなればオーディオ屋さんの餌食になるのは間違いない。

もう一度言っておく、オーディオは機材で鳴るわけではなく、トータルのバランスで鳴るのである。はやり最後はセンスが必要だ。

上手く鳴らないレコードが鳴った時、上手く鳴っていたレコードが上手く鳴らない事もある。それの差をなくしていくのがオーディオである。

いつも気に入ったソフトばかり聞いてるのはつまらない、永久に貴方のシステムはそのままだろう。鳴らないレコードを上手く鳴らそう。

簡単ではないが。

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