ウエスタンスピリッツの今後
やっとオーディオシステムは何とか決まった。後はリッツ線オーディオケーブルの製作である。しかしこれ迄にお付き合いのあったお客様から色々な依頼がありなかなか肝心なモニターケーブルの製作が出来ない。
そして、何より新居の部屋の馴らしである。
まだ部屋は完璧にオーディオに馴染んでいないが、それは少しずつ時間が解決するだろう。随分音が柔らかくなってきた。
そして、今まで誰も体験した事のない様な、聞いた瞬間にハッとする様な音のレベルに持っていく事である。
今のままでも、鳴り方は充分に異次元だが、やはり上質なコンサートホールの響きを鳴らしたい。
そこまで行くにはもうシステムの鳴り方だけでは表現出来ない。やはり部屋の鳴り方をコントロールして行こうと思う。
とは言っても制限のある中で、優れた響きを鳴らさなければならず、大変だと思う。
お金をたくさんかけては意味がない。しかしシステムの音をつぶさに聞いてると、何となく鳴りそうに思えてきた。これはとんでもない事になるぞ。
新居の床はかなり強靭である。床がしっかりしているからウエスタンスピリッツの4560は、無駄がなく固さがなく柔らかく鳴ったとも言える。
コンクリート等の床では、音が飽和する様に詰まった様な変な鳴り方をする。
しかし我が家の床は、分厚い合板だが、それが適度に甘くオーディオに調度良い感じがする。そこに、サンゲツの固い焦げ茶色のタイルカーペットを敷き詰めていただいた。
カーペットは適度に音を吸収する、昨今の柔なフローリングむき出しでは、音がライヴになり低音も高音も品位の高い中域も鳴らない。
その中で、優れた柔らかな品の良いクラシックホールの響きを鳴らしたい。今のままではホールの響きとはとてもではないが言えない。
なので、まだまだだと言ってる訳である。響きと優れた定位を調和させるのがとても難しいのである。誰も鳴らしたことのない所まで鳴らしたい。
一般的に、ホールの響きを鳴らした部屋は、大体ライヴな響きで音像が大きい。残響音が多くうるさくて音が濁る。私はそれが嫌なのである。
適度なデッドな部屋でオーディオと合わせ、巧みな調整でクラシックホールの響きを作らなければならない。
その為には、定在波を上手く利用するしかない。聞いた状態で定在波を感じなければ良いわけで。定在波を減らす事は出来るが、なくす事は絶対に出来ないのである。つまり私が行うのは響きの色んな調整の方向である。
ならば、定在波と上手く付き合えば良いのである。世間とは全く逆な方法であるが、これは経験により出来る事が分かっている。
重低音再生のヒントは、定在波である。私の様に部屋の入り口迄下がり重低音が鳴ったのは、多分定在波を見方につけたからだと思う。
ならばクラシックホールの響きを再現するのも似たようなものである。しかし実際のクラシックホールの響きを再生するのはホールを作るのとはかなり違うのである。再生音だからである。これは昔、ホールの設計者に聞いた事があったのである。
今の鳴り方で、優れたクラシックホールの響きの様な、綺麗な奥行きと広がりをボケない音で鳴らす事が出来れば、正に更なる異次元だと思う。