B&W MATRIX802SS2
今日は埼玉の上尾の御客様のシステムを聞いてきた。そのシステムはターンテーブルにガラード#301、トーンアームにオルトフォンRF-297、カートリッヂは同社のSPUA/E、プリアンプCROWNのIC-150A、パワーアンプは同社のD-150Aで、スピーカーはB&WのMATRIX802S3で、ケーブルは総てウエスタンスピリッツで統一している。
細長い縦型のスピーカーシステムで、ウーハーが20センチのダブルウーハー、低域は確かに薄いが、我が家のJBLはそのスピーカーの様な本当に低い重低音は出ない。
あまり大きな音を出さない人なのでパッと聞いただけでは出てない様に聞こえるが、エリッククラプトンのアンプラグドの二曲目では、クラプトンが足を強く踏み鳴らしてるのがここまでリアルに鳴るとは正直驚異的であった。
足を踏み鳴らしてるのは誰にでも分かると思うが、本当に低い所がここまでリアルに鳴るのはなかなか再生出来ないのだ。
床まで揺れる本当に低い重低音だ。
我が家は出ない。
普通のB&Wの中域は薄く力がなくホーンスピーカーの様な音の輪郭はなかなか出ないものだが我が家のホーンとたいして変わらずしっかりエッヂがたっていた。
高域は再生してるソースを余すところなくどこまでも高くのびてしっかり出ていた、しかも全くうるさくない。
そのシステムは特にここ一年位でやっと目覚めて来たかな?と言うのが最近の私の感想であった。
非常に難しいスピーカーシステムである。
購入されてからすでに、二十年はたっている、氏はとにかくセッティングでかなり苦労されていた。
それが今日は素晴らしい位に決まっていて驚く程の定位と全体のバランスだった。
以前は何を聞いても音に艶も躍動感も力もなく、満足感がなく諦めていたが、氏はどうしても鳴ると確信し努力したのだろう。
正直私はB&Wは鳴らないと思っていた、しかし、鳴らないスピーカー等ない、私は改めて思った。
そしてその難しさを実感したのである。
高価なシステムを購入し、それをただ綺麗に部屋に並べるだけで良い音など鳴るわけがない、最高の音を自分のシステムで聞きたい、その信念以外に人の心をも動かす様な音を構築する事は出来ない。
それと、これだけはどうしても話しておきたい、欲しいものがあっても、お金がない、これを心底味わった事のある人間にしか真の音楽は再生出来ない、私は断言する。
今は裕福になったとしてもそれを心底分かっている人は良い音を出している。
今もしお金があればこう出来る、そう思ったとしよう、もしくはお金がないから商売ができない、そう思ったとしよう、そして宝くじが当たったとしよう。
多分数年で破綻する、それはなぜか?
お金がなくても0からでも成功する人は成功する。
話がそれたが。
そこそこのオーディオシステムからでも天界の様な音が努力で鳴るのを私はこの耳で聞いた。
これが総ての答えである。確かに明らかに安いシステムからはそれなりの音しか出ないのは事実だが。
それだってかなりの音を出してる奴を私は知ってる。しかしたくさんお金をかけてシステムを揃えても酷いのがむしろごまんとある。どうですか?と自慢気に聞かれても酷いものは酷い、困ってしまう。
みなさんオーディオはある程度値段じゃないよ。
ヤル気だよ。
今回の試聴を通じ私は強くそう思った。
私もこうありたいと。