トーンアームのオーバーハング
アナログを極上に鳴らしたい。その為私は、寝食忘れ努力してきた。メーカー製品ならばその値はしっかり出ている。
しかし私がやってるオーディオとは、自分で総てチョイスして揃え、自分で組み上げていくスタイルである。
カタログに書いてあるオーバーハングとは実に緻密でその精度を出しづらいのである。
中古で購入すると、アームのゲージがなくなり付いていない事が多い。さてどうするか考えた。
先ず、升目のある定規を用意し、センタースピンドルに刺さる様に正確に穴を空けてゲージを作る。そして、トーンアームにカートリッヂを装着した針先からトーンアームの中心までを出来る限り正確に計る。
そして例えばメーカー指定のオーバーハングが15㎜だったとする、先ずこの値は絶対である。針先からトーンアームの中心までが255㎜だったとする。255-15=240となる。メーカー指定のオーバーハングの数値をマイナスすると割り出せる。そこに用意した升目の付いた定規に鉛筆の入る穴を、割り出した数値の所に正確に穴を空けて反対側をセンタースピンドルに差し込み、、ボードにシビアに半円を描き、トーンアームが何処にも当たらない様に取り付け穴をあける。
他にも方法はあるだろうが、それでもドリルの刃が僅かに逃げて、数㎜ずれる事がある。しかし、ヘッドシェルで微調整の範囲ならば調整出来るのでオーケーなのである。
しかし、これが難しい。
ここが駄目ならば総てはオシャカである。私のトーンアームはカートリッヂを付けてセンタースピンドルから針先迄がドンピシャ15㎜なのである。
1㎜は誤差の範囲等と言わず、ジャストが良いに決まっている。升目の付いた定規はセンタースピンドルにぴったり入る様に正確な穴が空いてるので、反対に、180°ゲージを回して使えば、升目があるので、オーバーハングゲージにもなるのである。
アームの調整は、針圧や高さやインサイドフォースやラテラルバランスだけではない。総てが決まって初めて正しい音は構築されるのである。
センタースピンドル中心からメーカー指定のオーバーハングは、絶対的な数値である。
しかし、メーカーが付属品として付けているゲージがやはり一番である。