生きていて本当に良かった
私は数年前、総てが上手くいかず八方塞がりになり、閉塞感から、かなりの鬱になり、強く、自殺願望があった。
その時、辛さから逃げようと、大量に毎日アルコールを飲み続けて、免疫力が下がり喉頭盖炎(こうとうがいえん、死の病気)になり、遂には喉が激痛で唾も飲み込めなくなり、急に呼吸が出来なくなる恐怖を味わった。
とても怖くて忘れる事が出来ない、凄く辛かった。急に呼吸が出来なくなる恐怖分かりますか。息を10吸ってるのに1しか入って来ない。
その時、家内がいち早く私の異変に気付き、会社を休んでくれ、即、街の耳鼻咽喉科へ。もうゆっくりしか歩けない…鼻からカメラを入れて見たとたんお医者さんは、駄目だ!このレベルではもう手の施しようがない。
直ぐに慈恵第三病院へタクシーで行くようにと紹介状を書いていただいた。タクシー乗り場迄歩くのかよ!しかし、ゆっくりあわててタクシーで慈恵第三病院へ。
待合室で更に喉が塞がってきた。私の真っ黒な顔を見た受付の方が、誰よりも先に私を優先させてくれた。診察室で、同じように鼻からカメラを…またカメラかよ!早くしてくれ、死んじゃうよっ!
駄目だ、危ない!もう時間がない。医者の声が遠く聞こえた。貴方、今日はもう自宅へ帰れるとは思ってないでしょうね?医者の立場上、診てしまったらこのまま帰す訳にはいかない。
ハッキリ言う、助かるかどうか分からない、このままステロイドをうつ、このまま即、入院ですとハッキリ言われた。
そして家内が動揺し、心配してる悲しい目を見た。駄目だっ!生きなければ、私は何を考えていたのだろう。しかし、もう呼吸は出来なかった。その時目が覚めた。
ステロイドの入った点滴をうつこと五分位、呼吸はみるみる楽になった。
医者は、良かった…ステロイドが貴方に合っていて、合わない人もいるらしい。そうなるともう手の施しようがなく、喉を切開するらしいのだが、そうなると大体は助からないと後で聞いた。
私が入院して二日目の夜に、同じ病気で緊急搬送された五十代の患者が助からなかった事を後から知らされた。
次の日、血液検査の結果が出た、ヘモグロビン(Hba1c)の数値が異常に高かった。
貴方、この状態は昨日今日になったものではない、いったいどれだけアルコールを飲んだのだ?と聞かれた。
貴方みたいな患者は本来、診たくはないが、奥様の為だ。真剣に生活習慣を改善する気はあるのかと強く聞かれた。
私は、分かりました、宜しくお願いいたします。と約束をしたが、どうにも情けなかった。当然、その日の夕食は病室で、私だけ出なかった。まだ固形物は飲み込めないからである。
今はもうヘモグロビンの数値も下がり、お酒も飲んでいるが。無事に新居も建ち心配もなくなり、今は自殺願望など全くないが、本当に馬鹿な事をしたと思っている。
生きてく事は大変だが、あまり無理をすると、誰でも分からない内に私の様に精神まで病んでしまうことになる。人の精神など本当にもろいものだ。自分だけは大丈夫、それが一番危ない。
今現に、そこそこ広い部屋でこんな素晴らしい音を聞けるのだ。仏教の教えでは、この世は地獄かも知れない。でも、天命を全うするまで、輝いて生きていた方が良いに決まっている。
私の場合、正に地獄からの脱出、他にもブログに書けない事がたくさんある。でも、どんなに辛くても、生きてりゃ必ず良い事あるよ。人生何とかなる!
大切な命を自分で断つのは卑怯だ、私はそう思う。しかし、その時は苦しくて、そんな発想の転換は出来なくなくなってしまう。自分がアルコール依存症になり、おかしくなっている事すら気が付かないのである。それが怖い。頑張らなくて良い、逃げろ。しかし、その原因を作っているのも貴方だ。
今の私は、好きな事しかしない。自分一人で生きてる訳ではないからである。
でも、本当に命は一つだけだよ。生きている事は素晴らしい。自分を大切にね、絶対に、約束だよ。
生きていて本当に良かった。