オーディオは再生音
それを忘れてはならない。オーディオは突き詰めれば突き詰める程、録音現場で録られた音の再現でしかない、それ以上でもそれ以下でもない。
みなさんは、それをご理解していないので、様々な悲劇が生まれるのである。
「生を越えたい、もしくは、越えられるのではないか」良く聞く言葉である。別の意味でならば確かにオーディオはそれが可能である。それは録音現場で起こる様々な間違い、ミステイクである。それが後に伝説の録音として人々に伝わり、神格化する。
生とは違った明らかに異様と思われる音が、時に、ステージやスタジオの床やマイクを介し録音されている。しかし異様であるその音もやはり録られた以上は、再生されないといけない。日本盤のソフトは、その異音をご丁寧に消してしまうからフィルターがかかり、つまらないのである。
システムの異常でその音階だけが増幅され鳴ってはいけないが、その音を消す事は他の素敵な音までフィルターにかけてぼかしてしまう事になる。
いかにぼかさず正攻法で鳴らすかである。真に鳴った音には好みすら存在しない。ウエスタンスピリッツはそこまで行きたかったのである。
ジャズ向き?クラシック向き?JPOP向き?そんなもの何処にも存在しない。鳴っていないシステムがへんてこな音を作っているだけである。
オーディオは総てが正常に動作すれば、正常な音が鳴る。しかしそんな音もまだ何処にも存在しない。
でも現にウエスタンスピリッツがある。自分で話すのも馬鹿みたいな話だが。鳴っているものは仕方がない。
それをご理解願う為にこのブログを立ち上げた。過去の失敗談も含め、お暇な時にこのブログを最初から総て読んでみてほしい。何かの参考程度にはなると思う。
因みに私は今、DENONのDL-103は使っていない。オルトフォンSPUA/Eを普通のヘッドシェルに付けて聞いている。
それは何故か?やはりアナログを極めて行くと最後は、選ばれたる優れたSPUA/EかG/Eの1973年製に至るからである。
オーディオが一番華やかだった頃である。今のオーディオがとうに忘れた、甘さのないふくよかな気品の高い音が聞ける。
しかし、探してもなかなか程度の良いものはない。優れたSPUが見つからなければ、音はとろいがDENONのDL-103は安価で優れている。
話しはそれたが、究極は録音現場で録れた音の再現でしかない、それがオーディオである。オーディオは録音された再生音だからである。
それを歪めず再生すれば良い、しかし、これが様々な理由から困難を極めるのである。