更なる実験3)
これはあくまでもウエスタンスピリッツが、究極迄来たオーディオでの、個人的な主観の実験と試聴結果である。
もうこれ以上私に出来る事はない、そう思っていた。しかし、更にこの上があるのも明らかになった。ウエスタンスピリッツはそこまで行くために今進んでいる。
今までお話してきた附帯音を、少しでも少なくするために、次はいよいよ、音の入り口であるカートリッヂ周りである。
これから増幅される前の肝心な所である、ここでオーディオはほぼ完結していると私は考える。
では説明に入る。現在ウエスタンスピリッツは、オルトフォンSPUA/Eをオリジナルシェルから外して普通のヘッドシェルに付けている。
何故ならば、アームが普通のシェルに付けて正しいオーバーハングがとれるのに対し、オルトフォンのAシェルはプロ用で短く、トーンアームの位置をずらさないと正確なオーバーハングがとれない為である。
そしてオリジナルシェルから外し、裸にしたSPUを普通のシェルに付ける為には、スペーサーを噛まし上に出っ張ったマグネットを逃がし、平らにしなければならない。ウエスタンスピリッツはそこに黒檀のスぺーサーを自作して付けている。
今のままでも充分に音は気に入っている。しかしこれまでの付帯音減衰でどれだけ音のレベルが上がった事だろう。それを思い実行した。
先ず、マグネットとSPUのヘッドシェルが当たる所を抑振しようと、そして黒檀のスペーサーも抑振しよう。
附帯音はスピーカーから鳴っている。しかしそれが本当にスピーカーで起こっているのか正確に把握しなければならない、次は遠い入り口からである。
一つずつ確実に行いながら試聴して進めて行くが、作業は、電気の常識さえ理解していれば、比較的簡単で駄目ならば直ぐに現状回復出来る。なのでとても楽しみである。
多分結果はこうなる、響きは少し抑えられるが、いっせいに鳴った各楽器の分離に優れ、音の密度や楽器本来の音や、声になる筈である。そして切れと広がり、スピードが格段に上がるのだが、ゆったりとした重厚でクリアーな鳴り方に聞こえると思う。
しかし、答えは少し違うものとなった。カートリッヂ自体のレベルが明らかに上がり、響きも抑えられなかった。そして特に高域に作用したのである。高域が太く鮮やかになり、奥行きを伴い、音全体のトータルでの重心が落ち着いて下がったのである、つまり安定感が増した。
上記の通りである、そしてスクラッチノイズが鮮やかになった。
今回の作業の最後に、カンチレバーを後ろで引っ張っているワイアーのテンションを上げた。これにより音のスピードが上がるのである。
オーディオの再生音から総てのモヤモヤが消えた。みなさん!ボックスがJBLでウーハーが130AでドライバーがLE85でホーンがコーラルAH-500でツィーターがテクニクスEAS-9HH42ですよ。
それを800Hzと5000HzでLCネットワークで簡単に品位の高いネットワークでクロスさせてるだけですよ。
普通はこんな音はこのユニット構成からはどんなに望んでも鳴らない。
私としてはまだまだだが、一度聞いてみて欲しい。部屋はまだ新しいのでそこそこなのであるが。この鳴り方はもう群を抜いていると思う。