更なる実験5)
最後はアナログターンテーブルの本体と、そこに基板が付いている金属の板の裏面である。
そしてヘッドシェルの上と、トーンアームの軸受けの外周りと、付け根である。そしてターンテーブルが乗っている板(キャビネット)である。
結果は更に驚きの変化であった。何度も話すが、綺麗な響きまで失うのではと心配だった。しかし意に反してそんな事は全くなかった。
ウエスタンスピリッツが実験の前に、かなりのレベル迄来ていた事になる。しかしこの一週間でシステムのレベルアップはかなりのものとなった。
ターンテーブルの裏に施した実験では変な響がなくなり、音のないところが静かになり、低域が更に下に沈み込んだ。トーンアームの軸受け周りに施した実験結果は音が太くなり更に安定した。ヘッドシェルの上に施した実験は、高域が更にのびてシンバルが太く深い音になった。
総じて音は強くなった。しかし低音が素早く低い方へ沈み込むため、明るく跳ねたようなうるさい音にはならないのである。以前までは時おり、ウッドベースなのかギターの低音弦の音なのか不明瞭だった音がなくなった。
ドラムスも、ボンッ!とはならずストンッ!となり、かなりグッドである。しかし更にCROWNのパワーアンプDC-300Aの電源の唸りが、カートリッヂを介して盛大に聞こえるようになった。
しかし大丈夫、しっかり対策は考えてある。その音は消える筈である。
正に堂々としたハッタリのない本当のクリアーな音である。
そして最後に私は気になっていたコーラルのホーンAH-500の側面に最後の一手間を追加した。音は更に落ち着き、高嶺に昇った。
直ぐに作業開始した。難しかったが何とか出来て聞いてみた。話すのはもう野暮だろう。ダンパーは必要悪である、音は真っ直ぐに方向を伴いfoが下がり、前に出た。危ない位良い音になった。
オーディオは総て、やったもの勝ちである。いくら御大層な机上の空論をしていても、音は今のままである。
音は強い指向性を持ち、クツキリとした輪郭が形成され、奥行き広がり立体感が数倍増した。そしてかなり楽器本来の音がする様になった。
少し前、自分が異次元等と話した内容が恥ずかしくなるくらい更に高嶺に来た。しかしまだまだこの上は存在するのである。
どこまで鳴ってもオーディオに終わりはない。