附帯音や分割振動を減らすとfoが下がる
実験をする前は、高域が減衰するものと思っていた。確かに必要のない高域は減衰するが、ソフトに録られている、今まで附帯音や分割振動にマスキングされていた源音がやっと再生される様になる。
これはあくまでも私の妄想かも知れないが、以前は要らない余計な録られた以外の音が、附帯音として分割振動を起こしていた振動板で作られた甘い音を再生していたと思われる。またそれを、疑いもしないでずっと聞いていた。
周波数振動が細やかに分散され、振動板が正しく前後にレスポンスされる様になる。
その為、余計な音が消えて、振動板は動作が楽になり、源音が忠実に再生される様になるのだと思われる。
そして施すことで得られる素敵な変化は、ウーハーもドライバーもツィーターも(fo)が下に素直にのびる事である。
特にドライバーは構造上、そのままでは音は低い周波数迄のびづらい。正確なレスポンスになってないためである。
なので肝心な濃密な中域がしっかり再生されないのである。私はその事にコーラルのホーンAH-500を購入した時に気付いてはいたが、今の今まで対処の仕方が分からなかったのである。
そう、AH-500はホーンのフレアーカットが250Hz迄のびている。いくらネットワークでカットしても、そのクロスはかなりだらさがりになってるからである。教科書通りに切れてはいない。
そのフレアーカットを持ったホーンを使い、あえてドライバーを800Hzでカットする、これが重要である。フレアーカットギリギリの周波数でのクロスでは、音に余裕がでない。
その辺りの美味しい周波数が、ダイアフラムの振動板が附帯音や分割振動を起こしていた為に、あまりのびていなかった事に気が付いた。だから中域が薄いのだと思った。
そして、その周波数で、附帯音や分割振動を減らしたウーハーとしっかり手を結び、強く柔らかく滑らかに弾んだ重厚な中域が形成された。
結果、低音はかなり低い周波数迄、一瞬で沈み、直ぐに消える、これが大切である。
そして正確なレスポンスになったドライバーの音は、更にツィーターとの繋がりに大きく影響し、広がりと奥行きを伴った高域も形成された。
総てのユニットが、正確なレスポンスをするようになると、位相合わせがとても楽になった。
結果、現代のハイエンドオーディオをもってしても、到底成し得なかったチャンネルセパレーションや、二本のスピーカーの間で絡まるように鳴っていた嫌らしい音は、かなり解れて減った。
しかし、音像は濃密で濃く、ハッキリしていて、重厚に渋くうるさくなく、静かでエネルギッシュな鳴り方にになった。
スピーカーユニットの振動板に施すと、音は下にのびる傾向にある。つまり高い綺麗な周波数の邪魔をせず、動作を整理し、要らない周波数を抑え、その結果、各ユニットのfoはのびるのである。
なので、やはりエネルギーロスを適度に抑え、軽く重厚な音になり、正しい音の方向に導かれるのである。
今のところこの方法が、一番の抑振の方法だと私は考える。言っておくが、少し違う等の生半可な変化ではない。貴方のオーディオは、かなり飛び越えた鳴り方に変化するだろう。
しかしオーディオは難しい、まだまだ更にもっとこの先はあるのである。
これが一番等、どこにもないが、確かに興味深い素材である。
一言、私は備長炭を細かく砕いたのではない、その煤の粒子はとても細かく、備長炭をイワタニのミルサーでどんなに砕いても、素人には煤程粒子を細かく粉砕する事は出来ない。
附帯音や分割振動対策には、その煤の細かい粒子がどうしても必要なのである。
但しやり過ぎに注意!電気を通すからである。貴方の貴重で大切なスピーカーユニットを壊さないでいただきたい。
焦らず少しずつ、薄く何度かに分けて施していくのがコツである。貴方のスピーカーユニットは、そのままではカタログにある基本のスペックは出ていない。
foとはユニットが持っている最低共振周波数の事である。foが下がると低音再生に有利になるばかりでなく、ユニットどうしの繋がりも良くなる。