B&W MATRIX805V
思うところあり、久し振りで4560BKの上に、黒檀のキューブを三つ敷いて、その上にB&W MATRIX805Vを載せて聞いてみた。
こうなる予想はあったが、音がにじまない、B&Wのネットワークの音も確かにあるが。小さなスピーカーは、レスポンスが正確なため、音が前に出てくる。そして、これはある意味だが、重低音の量と骨格があり,ドームツィーターの高域の広がりと、全体的なバランスの良さがある。
これまでのJBLへの熱意が少し冷めた(笑)
なんという各々の楽器の分離の素晴らしさと、奥ゆかしい鳴り方なのだろうか。ピアノが太くどっしりしていて、音が早いのである。
それはCDでもアナログでも同じだった。このスピーカーは家内のお気に入りであるが、引っ越す時に捨てようか考えていた。やはり捨てなかったのには、それなりの理由があったのだと思う。
音量を上げてもかなり絞り込んでも、鳴り方は全く変わらない、むしろ絞った時の鳴り方が素敵に感じる。が、実験を施した今のJBLと比べて、やはり附帯音を感じた。
暫くこちらでスタンドを自作して遊んでみようか。いくら頑張ってもJBLでこの様な反応の早い音は、以前は聞けなかった。でもこれは驚異的な事である。
音は整って聞こえるが、小さいのでやはり、エネルギーは少ない。階下に響かず、近所迷惑にならず、好都合である。
こんなに小さいのに、どんなに連続で強烈なパルス信号が入り続けても、反応が素早いので、全く飽和しないのである。または飽和して聞こえないが正解かもしれない。
そして思った、38㎝のJBL(130A)で、こんな素早い鳴り方に出来ないだろうかと。
誰が何と言おうが良いものは良いと思う。以前「大きなスピーカーを使っていない人を認めない」と仰ったマニアの方がいた、大きなスピーカーを努力して鳴らすと言う意味なのだろうが、とんでもない話である。まるで子供の様な、ものを知らない無知な無責任な考え方である。
そんな方がいるからオーディオはなかなか進歩しないのである。小さなスピーカーは、歌手が大きな口をあけて歌っているのがよく分かる。それはユニットの反応が早く、総ての帯域が飽和しないからである。
B&W MATRIX805Vは、とても優れたスピーカーシステムである。
しかし、エネルギーと言う点においては、やはりJBLなのである。現代を象徴するB&Wなのだが、やはり大きなスピーカーが鳴らす満腹感はないのである。これは個人的な考えだが、ネットワークがボックスの中に入っているのと、その部品の質もあると思う。
反応の早さや正確さだけがオーディオの総てではないのである。大型ホーンスピーカー、小型のツーウェイスピーカーは、各々に欠点も優れた所もある。
個々の生活環境にあったスピーカーで良いのだと思う。何も部屋が狭いから小型のスピーカーで、部屋が大きいから大型スピーカーでなくとも良いと思う、また反面その逆もあり得る訳である。
とにかくいろいろ語られているが、音楽は、オーディオは、素晴らしいのである。明日のエネルギーを与えてくれるからである。
しかし、それをどう鳴らすかは、やはり貴方のセンス次第である。
全く違う小型のB&Wを久し振りで聞いてそう思った。
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