オーディオとJBL
優れたユニットを個々でチョイスして、チューニングして使う。この様な趣味も存在する。私の様に、若いころ、ディスコで聞いたJBLの、うるさい艶のない音の悪さと、その反面、神秘的なボックス4560BKのフォルムに強く憧れをいだいた。
そして「なんでこんなに音が悪いのだろう」実際自分で購入してもやはり低音ののびないボコボコの音だった。
しかし、何故か、どうにかすれば上手く鳴る予感があった。私は使っているユニットがずっと変わらない。
そして他のメーカーのスピーカーにも、アンプにも随分買い換えた。しかし必ずまたこのボックスに戻ってしまうのである。
若い頃、秋葉原で、高級オーディオ販売の仕事をしていた。その時にベテランの方から、貴方のスピーカーは家庭で鳴らすスピーカーではない、特にボックスはと、みんなに言われた。
確かにその通りなのだが、私の思考がぶれる事は一度もなかった「必ず鳴る筈だ」その自信はどこから来るのか分からなかったが、ずっとそう思い続けた。
そして、買い換えをやめてから、少しずつJBLが見えてきた。鳴らないのではない、こちらの力不足で鳴らせないのだと。本当はジャズ向きもクラシック向きもないのだと、個人的に思ってきた。
そして古いネットワークが総て劣化してる事に気が付いた。表向きは綺麗で極上品でも、保管状態がいかにしっかりしていても、オリジナルネットワークは、全部劣化してる。既に音に艶と色気がない。しかし…それに気付いた頃、既に音の優れた電子部品は、ほぼ壊滅状態となっていた。
私はそれでも、オリジナルケースからネットワークの部品を総て外し、そのまま板に作りなおした。少しはましになったが、やはり音は鈍い。
そして、自作のネットワークをJBLと全く同じ部品定数で新たな安い部品を購入してきて、作りなおしたのである。
音は激変した、それでオリジナルネットワークがすでに駄目になっている事が分かった。しかし、少し聞いていると、やはり違和感が出てきた。
そして市の図書館に行き、ネットワークを勉強した。そしてJBLのネットワークは、独特な部品定数になっている事が分かった。
成る程…「では、教科書どおりに、一番シンプルな回路で作ってみるか」ここが音を良くする分岐点になった。しかしネットワークは正に地獄の一丁目だった。
この内容は総て、過去のブログに成功までの軌跡を書いてある。正に失敗の連続だった。ネットワークは簡単には決まらない、センスが必要になる、それが答えだった。
そしてオーディオは、スピーカーだけで鳴っている訳ではなく、音が悪いのにも良いのにも、ちゃんとした理由が存在する事が分かった。オカルト的な不思議な事は何にもない。
そして優れた製品を使うのも確かに大切な事なのだが、それが総てではないと知ったのである。
ケーブルの優劣やシステムの設置のし方や、配線の仕方である。そして優れたオーディオシステムを組むには、電源が優れていなければならない。
しかし確かに時代は進んでいる、JBLよりもTADは確かに優れている。しかし個人的に安易に買い換えたくはない。
ずっと憧れを抱き、使い続けてきた、もの言わぬ可愛いJBLを、今よりも遥かに優れた音に仕上げたい。そう思っているのである。
別にJBLが優れているからではない、むしろ逆である。個人的にどうしてもJBLでないと聞いた気がしないのである。
私の真似をする事はない。どんなスピーカーでも良いのである。愛着をもって鳴らしてあげれば、必ず良き答えをくれると私は思う。
そして、オーディオは、最後何と出会うかであり、またセンスが絶対に必要である。
ウエスタンスピリッツは、それがただJBLだった、それだけの事である。
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