DENON DL-103再び
暫くDL-305発売記念モデルを聞いてきた、とても素晴らしかった。しかしやはり、DL-103を今一度聞いてみるべきだろう、それが王道だ、そう思った。
確か三年程前に、あえて新品で購入してみたのである。その時はフレッシュな音がして、一週間程で馴染んだ。
103は、針圧が2.5gでベストである。シュアーをはじめ、個人的にどうしてもコンプライアンスは高いが、頭の上を突き抜ける様なMMカートリッヂの音にどうしても馴染めない。
MMカートリッヂは、針交換は楽なのだが、その便利な機能が逆作用して音に影響してる気がする。
個人的に、やはりカートリッヂはMCである。しかもウエスタンスピリッツのMCヘッドアンプはDENONのHA-500である、言わずと知れた、はの500である。
103と合わない筈がない。安いものは、やはりそれなりだと話す輩がいるが、そんな事はない。私はMCトランスのボケた様な丸い音質が個人的に好きになれない。
アナログは何を使っているかではなく調整の巧みでしかない、それを今まで個人的に何度も思い知らされた、今でもそう思う。
安いものも高いものも原型と言うものがあり、天と地の差があるわけではない。素材は確かに違うが、作りはほぼ同じである。そんなに大きな差を個人的に感じない。
とは言っても、その僅な差に拘り、お金をかけるのもオーディオであるわけだが、今は散々色々聞いてきたので、調整次第で音は激変し、高級品は必要なしと個人的に思っている。しかし突然変異で優れたものが出てくるかも知れないが。
そしてDL-103は、丸針である。しかし高域の伸びのない甘い音ではない。つまり、様々なレコードを安心して聞ける特殊な丸針と言える。
ステレオのカートリッヂでモノラルをあまり違和感なく聞ける、唯一のハイファイカートリッヂだと思っている。
しかも値段が安い。少し値上がりしたが、これはとても好ましい事であり、誠にありがたい。
色んな事を加味するに、DENONのDL-103はとても優れたカートリッヂである。
暫くヘッドシェルから外してある、近々ヘッドシェルを探しに行こう。そして再び聞いてみよう。