癒しのオーディオと対決姿勢のオーディオ
どこまでいっても両者は交わる事はない、そうは思えないだろうか?しかし、年齢で変わってくる事もある様である。
例えば、ジャズだけをガチンコ勝負の様に、スピーカーとかぶりつきで音色だけを聞かれる方。反面綺麗な響きと、調和とハーモニーをクラシックに求める方。
しかし、これはウエスタンスピリッツだけのワールドだけかも知れないが。クラシックを好む方は、比較的、真逆なロックも好む傾向にあるようである。
響きを聞くクラシックとロックでは、いっけん、あまりにもかけ離れている。しかし、個人個人がオーディオに出会った時代の背景や、その時の流行りもあるのかも知れない。そして入り口がロックで、後にクラシックにはまっていったのかも知れない。
ロックを聞いていると、何処かにクラシックに似たような音楽表現がある事に気が付く。
それが何処なのかと訪ねられたら、ピンポイントで答える事は出来ないが、確かにロックもクラシックに似たような音作りを感じる事もある。
昔、流行ったキングクリムゾンやイエスやピンクフロイド等の、プログレシブロックである。
クラシックとは全く違うが楽器の使い方や曲の構成に、知性を個人的に感じる。ただ電子楽器に置き換えられような感じを主観で感じる。
ただ、のりで売れれば良いような音楽をやっているのではないのは分かるが。どこが違うのかは私には正直分からない。しかし、聞いていて楽しい。
しかし、ジャズは全く違う、その時その時のミュージシャンの、のりやフィーリングであったり。殆どがフリーでのびのびしていて自由な感じがする。
そしてジャズ(クラシックもある)には、モノラルから疑似ステレオになった事実があるが、オリジナルがモノラルならば、モノラルを丸針のカートリッヂで聞いた方が音は濃厚で深みがあり木彫りのようであり、また油絵の様にクッキリしていて聞いていて楽しい。
しかし、クラシックは違うと思いたいが、指揮者や奏者や録音によって、同じ曲でも天と地の差がある。
そしてクラシックは正直、何を買ったら良いのか、あまりに数が多すぎて、私にはさっぱり分からない。
多分、本当は誰にも分からないのだと思う。しかしその中でも名だたる名盤は確かに存在する。
私は昔、カラヤンが嫌いだった。人気があったからである。私は単なるアンチだった。しかし今聞いて思う、なぜもっとカラヤンのレコードを買わなかったのだろうかと。
今になり色々聞くが、演奏はどうであれ、やっぱりカラヤンは何を聞いても楽しいのである。
そして、対決姿勢のオーディオ、癒しのオーディオ、どちらも素晴らしいのだと思う。
人には各々に、その時代と共に求めてきた体験と音と音楽がある。しかし、レコードを買うなら日本盤はいただけない。日本の録音ならばその範疇にないが。
録音された本国のものが良い、しかしアナログは途中でCDへと切り替わり、生産終了となる。だから時代と共に数が少なくなり値段が上がるのである。
みなさん、良いレコードをたくさんコレクションしましょう。それらをどう鳴らすのか、そこに総ての答えがある。ウエスタンスピリッツはそう思う。
余程特殊なものでない限り、鳴らないレコードなど多分ないのである。ただ、私も含め、貴方が上手く鳴らせないだけである。
誰がかけても上手く鳴るレコード、先ずは、そこから疑ってみては如何!?鳴らないレコードを上手に鳴らすシステムは素敵です。
世間のレコードは間違いなく、99%殆どが上手く鳴っていない。だから新しく操作の楽なCDに逃げているに過ぎない。
ウエスタンスピリッツは、対決姿勢のオーディオから、癒しのオーディオへ変わってきた、歳なのかな?
いいや違う、分かって来たのである。対決姿勢のオーディオはいつか疲れる事を。
しかしそれも貴方が選んだ聞き方、ウエスタンスピリッツは総てを否定しない。
素敵なレコードライフを復活させよう。
若い頃は対決姿勢で、年を経ると癒しのオーディオへ、どちらでも構わないと思うが、アナログは調整いかんでは良いものである。