オーディオ考
ウエスタンスピリッツは主観でこう思う。これが生業で、主観ではあるが、色々な経験とノウハウと知識がある。
そして、それをたくさんのお客様へ伝授してきたり、手を加えたりしてきた。しかしウエスタンスピリッツは、まだまだだ。オーディオは未完成で、手を加える所がたくさん潜んでいるのである。
そしてお客様も様々である。例え同じ様なものを使っていても、こちらがどんなに手を加えても、その方、固有の音色と言うものがある。
これは今をもってしても答えは出ない。部屋の響きなのかとも思っていたのだが、ウエスタンスピリッツ個人でも、家を建てかえても、他にはない固有の音色が確かに存在するのを自分で感じる。
貴方固有の音色、それは確かに存在するのである。個人的に好みと言う言葉は好きではないが、やはりその音色はある。
ウエスタンスピリッツの音は、おおらかでダイナミックで力強い。これは、今使用しているJBL4560BKでなくとも、ウエスタンスピリッツが鳴らせば、やはりダイナミックな鳴り方になるのである。
個人的に好きな鳴り方なのだが。その反面、アルテックのホーンシステムを優しく綺麗に鳴らされる方が、お客様の中に存在する。
しかしそのお客様が、スペンドールを購入され、その音を実際に聞いたが。やはりアルテックと似たような音で普段と大きくずれる事はなかった。
物が変われば物理的に変化するので、確かに鳴り方が変わるが、今はそのお話しではない。
その人固有の音だけはどうしても消えず、スピーカーやアンプ、他の機材を取り替えてもケーブルを変えても、絶対的に残るのである。
以前は何故?と考えたがそれが個性であり、その方の人生観が滲み出ていて、それで良いのだと思った。
しかし、真実は何処かに必ず存在する筈である。ウエスタンスピリッツはそれを探し求めている。
高価なものばかり購入される方、あまりお金をかけないで努力やセンスで鳴らされる方、色々あるが、これは総てをひとくくりにして、簡単に語る事は出来ない。
しかし、高額な機材からでないと良い音が鳴らないと思うのは勝手だが、それだけは少し違うとウエスタンスピリッツは思う。
音質は例えれば、水やワインととても似ていて、視覚を取り払い、目隠しで、本当に耳だけで聞き分ける方はいるのだろうか?
私の古くからの友人に一人だけ、総てのスピーカーを聞き分けた方は確かに存在する。
しかし彼は、有名な難聴だった五味さんの様に、総てのカートリッヂを聞き分ける事は出来なかった。
少なくともオーディオは、殆どの方は、視覚的なものの要素があると思う。後は思い込みもあると思う。
いつもオーディオの事ばかり考えている。しかし、個人のもつ独特な音色だけは、どうしても解明出来ない。
結局答えは出ない、これがオーディオなのではないか。