ある方の意見
「あなたのように宮本武蔵や新撰組のような隙のない感じの方が、何故、優しく柔らかで端正な音を鳴らされたのか、理解出来なかった、しかし何となく分かってきた」
そう仰った方がいらっしゃる、その方はずっと考えていたそうです、そしてこう仰いました「人生に揉まれ色々やってる内に、奥様の好みに合わせるようになり、奥様にうまい具合に軌道修正されたのではないか」
合ってるとも言えるが、それは少し違うのです、私は人の意見を聞いて音を磨いてきたようにみえるのかも知れないが。
オーディオに関しては、基本的に自分の感性を強く信じている、そして「音とはこうあるべき」が常にある。
つまり聴いていて楽しいかどうかであるが、これは私の感覚の問題であり、どうしてもその感覚だけは文章にならないのである。
何かを行って正解だったかは、三十分も聴いていたら分かる、駄目な場合、つまらなくて聴いていられないのである。
つまらなく感じたとき、黙って家内に聴いてもらう、何も言わなくても、同じ感想が家内の言葉から出てくる。
それを繰り返し今のシステムの音質を磨いてきた、そして音質改善は、作ったケーブルを正確に判断する為だと家内も理解している。
現実的な違和感のない帯域バランスの事である、帯域バランスは全体的なものであり、ユニットの能率合わせや位相合わせだけではない。
オーディオは接点だらけである、その接点のどこかで、エネルギーロスを起こしバランスが崩れている。
その接点をシンプルにしっかりさせてきたのである、家内の意見は確かに大切である。
しかしその場所を見つけ改善するのは、やはり私なのである、オーディオを極限まで突き詰めたら今の状態になった。
使ったこともない、やったこともない方も色々言ってくるが、何の参考にもならない。
家内と私の役割は全く違う、でも確かに私は家内から穏やかに過ごすことの大切さを学んだ、私も歳をとるごとに穏やかになってはきたが、やはり心のどこかに危ない刀は持っていると思う。
音を冷静に聴いて「これでよしっ」と思えばゴー!である、音を決めるのにブレていてはいけない。
でもいつも冷静な家内の意見は、私の心の中でとても大きいのです、家内の意見を、私なりに音に反映させたのも事実なのです。
女性の感じ方とは、男性であるあなたとは全く違うのです。
ある意味そちらが正解の時もあります。
いや、かなりありますが、オーディオである以上、最終判断をするのはあなたですが、奥様の感覚も信じましょう。
オーディオは独りでは出来ない。