DL-103その後
いてもたってもいられず、再び繋ぎ聴いてみた、SAECのヘッドシェルの名機(ULS-3X))に取り付けた、当然アーム調整は一から総てやり直した。
海外のオーディオメーカーは、DL-103を研究してると聞く「何故、安い価格でこの様な音質なのか」であるが、残念ながら価格は上がってしまった。
針先は円針(まるばり)、針圧は2.5グラムにした。
ULS-3Xを取り付けた事により、WE-308SX純正ウェイトでバランス出来たが、音が無機質になるのではと心配もある。
WE-308SXは、重量級のカートリッヂや、ヘッドシェルで初めてバランスするトーンアームである。
丸四年は使っていなかったが、そのギャップはあまり感じず、一時間程でかなりほぐれて来たようである。
今までは、ずっとortofon Cadenza BlueとMonoを使って来た、両者は針先の形状が異なるため、ステレオとモノラルを聴く都度に交換しなければならなかった。
DL-103は特殊な丸針なので、どちらもそれなりに聴ける事になっている。
一言で話すと「やはり、あっさりフレッシュで聴きやすい、しかし腰高の音に聴こえた」聴いたのは新たに復刻された、1956年録音レーターヤングのTHE JAZZ GIANTである。
驚きなのは、全く古さを感じないところだった、その後デクレテ トムソンの若き頃のズートシムズや、コモドアや、色んなレスターヤングも聞いてみたが、どの盤も合格点をあげたい、それにしても若き頃のズートは、レスターと酷似していると思った。
後はどれだけ長い期間飽きないで聴く事が出来るかである、ortofonよりは帯域が上よりに聴こえる。
いずれにしても、今はターンテーブルも、technics S P-10MK2からS P-10Rに変更されたので、更なるDL-103を聴ける、そう思った。
以前に聴いた時より音は静かに滑らかになった。
一度SP-10Rで、DL-103を聴いてみたかったのです。
しかし答えは意外とあっさり出た、やはり以前に聴いた感想と同じだった。
経験から、慣らしの時間で解決出来ると思えない。
日本人の好きな、フルレンジスピーカーのような、蒲鉾型のフラットな生真面目な音なのである、もう少し色気のような音が欲しい。
ジャズやクラシックを散々聴いた後、トップガンのサウンドトラック盤を聴いた、ミグに追われたアメリカの戦闘機が、まるで大気圏を突き抜けるかのようなスピード感が感じられないのである。
クラシックを聴いても、帯域バランスが高い方に寄って、素敵なコントラバスの低い音階が薄い、よって「たまには良いのかな」と言う結論となった、やはり時代は進んでいると思わざるを得ない。
しかしさっぱりとしていて優れたカートリッヂである。
日本のオーディオは何を勘違いしたのか、フラットな特性をもってよしとする傾向にある、それが如実に音にでた生真面目な音のカートリッヂだと思う。
再びortofon Cadnza に戻した「うんっ!いいね」妥協なくそう思った。
レコードを聴く上に於いて、どんな音で聴くのが楽しいのかを理解しているのだと思う。
色々書いたが、やはりDL-103は、日本の誇りであり、名機だと思いませんか。