自分が必要だったケーブル
私は自分が必要だったケーブルを作りたかった 、それがウエスタンスピリッツの始まりです、まさか生業になろうとは思ってもみなかった。
誰よりいい音を鳴らしたかった、そして根拠のない自信だけはあった。
高級オーディオの販売員だった事もあり、真面目に販売していたので、色々高級品をメーカーから借りる事も出来た、そんな時代だったのです。
オーディオを理解していくと、自然とケーブルに疑問を持つようになった。
しかしどんなにお金をかけても、優れたケーブルに出会わなかった。
そんな頃、私はターンテーブルの名機、ガラード#301に目覚め、本物を探し彷徨っていました。
そして東京近郊のヴィンテージオーディオショップで、有名なウエスタン研究家のHさんと出会ったのです。
お約束の日、Hさんは、ウエスタンの単線で作られたケーブルをご持参されました、とても細くてハンドメイド「これは職人の仕事だ」と思いました。
私はHさんを師匠と尊敬し「同じケーブルを作ってもいいですか?」と聞いてみた「やめろやめろ、作れるはずない」と言われましたが「作って聴かせてみろ」と言われました。
免許皆伝になるまで時間はかかりましたが、私には何とか作る事が出来ました、私とケーブルを作る作業が、性格に合っていたのだと思います。
そして作っているうちに、優れたケーブルを作るには、作り手のオーディオが立派な音を鳴らしていないと優れたケーブルを作れない、そう思うようになりました。
優れたシステムに繋いで検証しないと、間違えたケーブルになってしまうと理解しました。
それから日夜、色々答えを出すべく努力して来て、現在に至ります。
話すと簡単ですが、実にオーディオは奥が深く壮大なものでした。
あるレベルに来るとオーディオの音質は良くなりますが、次の弱点が出てくるのです、その弱点を少しずつ丁寧に妥協なく直して来たと言った方が良いのかもしれません。
そして消去法に気付きました「色々なものを追加しすぎている」と、「それらが複雑に絡み合い、音を濁している、余計なものを外してみよう」そう思い実行しました。
結果は語る迄もなく、音質はまともになっていきます「そうか…オーディオはある程度完成されている」そう思ったのです。
総ては最善の方法で丁寧に、これが鉄則です「上手く鳴らないのは使っている機材の組み合わせや性能ではなく、こちらの力不足」そう思いました。
簡単に言えばやはり何時もと同じになりますが、経験だと思います。
先ずは優れた音の定義をしっかり持たなければならない、いくら詳しい人に聞いてみても、その方が本当に自分より詳しいのか?これが大問題。
人は努力により進歩するもの、尊敬していた方が何時も自分より上なのかは分からないのです。
これを私は何度も経験しました、そしてお付き合いを切った方もたくさんおります。
こう思います、レベルの違う人にいくら真剣に伝えても無駄、考え方が凝り固まってそこから抜け出せないからです。
私は時に自分を疑い殻を次々壊して来ました、そして思います「万能なものは何処にもない、しかし大体のマニア様は、いくらお伝えしても、また元へ戻ってしまう」自分の殻を壊せずひたすら同じ方向へ進んでしまう、やってる事は何時も同じ。
私のオーディオは全く違う、その時は改善されたと思ったとしても、後に外してみるとだいたいは外して正解、太いケーブルや、ノイズカットトランス、様々な怪しいオーディオアクセサリーがそれにあたる。
そして、他に理由が存在する事を探ってきた、すると大体のオーディオアクセサリーはごまかしだった、中には本物もありますが。
総てではないが、足すより引け、これがウエスタンスピリッツの音質改善です、
ケーブル作りもそうです、過激な素線の数や太さ、被膜の分厚さや重さ、やりすぎのピン端子など挙げればきりがない。
「見た目に惑わされるな、作りが良さそうに見える?ではあなたは専門家で、見ただけでその本質が分かるのか?」そんな話はないだろう、そう思う。
実際に購入し繋いで聴いてみないと分からない、アンプも他の機材もみな同じである。
なのでウエスタンスピリッツは、まだまだですが、オーディオシステムの音から改善し、自分が必要とした理想のケーブルを作り、それを聴いて納得してもらうために、1ヶ月の無料貸し出しのモニター申し込みを募った訳です。
ウエスタンスピリッツは、JBLのスピーカーだけを使ってケーブル検証している訳ではない、いちいち公開しないだけである 。
ウエスタンスピリッツのケーブルは、総てのオーディオシステムに通用するべく作ったものであるとご理解願いたい。
アンプやCDPを取り替えても天地がひっくり返る程の差はないのです、ケーブルが総てとは言いませんが、他がしっかりしていたなら、ケーブルははっきり答えをくれます。
ウエスタンスピリッツのケーブルは、どこをどの様に改善しなければならないのか、その羅針盤にもなります。
鳴らないのはシステムの能力でなく、あなたの努力不足が原因です、オーディオはあなたの人生レベルを超える事はありません。
もっと深いのです、もっと音楽をたくさん聴いて、その素敵な音を理解してほしい。
さて私が必要とし作ったオーディオケーブル、どんな音になるだろうか?興味ありませんか?
聴いてみないと何にも分からない。