半田の種類
沢山作ってきて分かった事がある、マニアの間でまことしやかに話題になっている事。
半田の種類で音質が違う、私は以前、千住工業の半田を使っていた、最近はKESTERやERSINやナッソ(ヴィンテージ半田)を使っている。
そして散々作り聴き比べてみた、以前「KESTER44を使うと、場末のキャバレーのような品のない音になる」と仰った方がいた。
そんな事はない、結論、半田本体ではなく、半田付けが問題なのである、何よりKESTER44は、染み込み易く綺麗に仕上がる。
44はヴィンテージであり、マニアはけっこう使われてる方も多い、ヴィンテージアンプの修理や、真空管アンプを自作される方は、一度は使った事があると思う。
以前、秋葉原で半田の達人とお会いした事があった、私がお店の方と話していると、いきなり横から「あんた、半田の種類でそんなに音は変わらんよ、それより半田付けをする腕を磨きなさい」と言われた。
その方はJAXAやNASA等から、依頼を受ける程のプロ中のプロだったのである。
「君はオーディオをやってるのかね」と聞かれた「はいそうですが」と応えた。
「あんたオーディオの事は詳しいのかも知れないが、あんな話を大きな声で話していたら、いつか馬鹿にされるよ」と言われてしまった。
しかしそれから約二十年経った今、その記憶が鮮やかに蘇った、やはり私は素人から脱却するべく進んでいたのだと思う。
私はほぼ毎日、半田ゴテを握っている、たまにしか半田ゴテを握らない方の話は全くあてにならないし、無駄なお金ばかりかかる「私は職人」納得出来る自分になったらそれでいい。
結論、半田の質は多少はあるだろうが、半田は技術で総て決まるのです。
ましてや千住工業やHAKKOは、工業規格、かなり優れていると達人は仰った。
全く同じに思う。
本日の珈琲はトラジャ、八丁味噌を舐めてるがごとく深い香りがして、あっさり消えていく、そんな感じがした。
母は今のところ、今回の手術で認知症は進んだが、施設で穏やかに暮らしている。
何事もない平穏な一日、竹園珈琲にでもいこうか。