機材の選び方

主観で私はこう思っている。

沢山お金を支払い、良いと言われた機材を揃えたのに、長い時間楽しく聴いていられない。

もしくは、たくさんお金を支払い、ハイエンドを揃えたので、今のままで満足している。

ようは分かっているか否かである、前者の方がまだまし、後者は話にならない。

ご自分で機材を選べないため、詳しい第三者に一緒にオーディオショップへついて行ってもらい、分からないまでもご自分で選んだのだと思う。

問題なのはその第三者が分かっているかどうかが一番問題、次にお店の販売員である、まともなお店ならば、あまりどちらが良いかは話さない筈である、主観で伝えコンセプトが合わないと、苦情になるからである。

私は違っていた、お客様の言葉の中から、言葉にならない音を探し出し、アドバイスしていたつもり、なのでキャンセルや交換は一度もなかった。

店頭で大きな音を鳴らし、上手く鳴ってるが如く聴かせてるお店がある、商品が届きあまりの音の違いに「お店で聴かせて頂いた音とあまりに違いすぎる」と連絡がくる。

当たり前である、お店と言うのはセレクターが繋がり、周りもうるさい、そして電源事情も悪い、それをお客様の部屋に届いた時、どの様になるのか販売側はお客様へ伝達する必要がある。

そしてお店は、スピーカー等のセッティングがめちゃめちゃである、隣り合ったり重なったりしている、鳴らしてないスピーカーまで震えて、ドロンコーンのようになっている。

そこで心地よくなるスピーカーが、あなたの部屋でどの様になるのか、この説明が的確に出来なければならない。

お店は売上と利益を追求している、本来は、高い商品が売れれば良いのであるが、私はそうしなかった。

高い商品ばかりを購入してくれるお客様だけを大切にしている販売員ばかり、私から言わせていただければ「だから高級品が売れないのだ」と言いたい。

そしてオーディオは音楽を楽しむものである、これをしっかりお客様へ教えてあげなければならない。

私はよく言っていた「音でなく音楽を聴いてれば、自然と音が分かり、好きな機材を選べます」私は高級品が良く売れた。

でも高級品ばかりが優れている訳ではないことも、しっかりお伝えしていた。

ご自分で間違いなく選ぶセンスのある方もいらっしゃるが、正直まず居ない。

みなさん機材を選ぶ中でどこかで妥協し、中途半端になり、どこか片羽(かたわ)なのである。

たくさんのオーディオシステムを聴いてきた、総て全滅だった、そして私は憧れの荻窪の櫻井洋一さんとやっとの思いで知り合った。

初めて驚いた、たくさんの機材とスピーカーを所有されているが、どれもコンセプトを持ち、しっかりジャズを鳴らされている。

つまりソフトによって使う機材を選んでいる訳で、一つのシステムしか持っていない私等、到底足元にも及ばずである。

「やっと出会った」こう思ったものである。

アンプは総てジェームス・ボンジョルノ設計のものである、まだボンジョルノがご存命の頃、櫻井さんは本人に電話し、一号機を売って欲しいと頼まれたそうである。

このお話は実に的を射ている、やはり初期のものは、作者の情熱が入っているからである。

ナンバーワンはボンジョルノが使うので、君にはナンバーツーを送ると言われたそうです。

櫻井さんは、ウエスタンスピリッツのラインケーブルを二本所有されて、それぞれ違う作りなので、あちこちに繋げ使い分けていらっしゃる。

「ウエスタンスピリッツのケーブルでレスターヤングが蘇った」と仰られた。

そしてまだまだのシステムではあるが、櫻井さんはウエスタンスピリッツのサウンドを誉めて下さった。

「これがJBLの音とは到底思えない」と仰られた、そう、櫻井さんと私のサウンドは対局にある、だからお互い楽しいのである。

そして「何を使ってもあなたは、この音にするだろう」と何時も話されている。

ならば櫻井さんもまた同じ、全く同じ意見である。

以前「一関のベイシーの方がいい」などと言われたそうだが、全くそんな事はない、櫻井さんの鳴らすジャズはそんなものではない、総てに於いて、遥かに上である。

みなさんこれが自分の音だ、そこに行き着く為の、ぶれない努力を望みます。

人から言われ一々買い換える必要はない、あなたの欲しい音はあなたの心のなかにある、もの(機材)ではない、分かっているかどうかである。

本日の珈琲はイエメン、家内の淹れた珈琲はとても美味しくなった、毎朝ありがとう。

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